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風水家相術について
風水術では「風がよく通り、澄んだ水が流れるところにエネルギーが満ちている」と考えます。
風水の「風」は、自然界の気の通り道を意味していて、「水」は、気が集まった豊潤な大地を意味しています。
陽光がさえぎられ、風の通らないじめじめした土地では、多くの生物は成長を妨げられてしまいます。
また、乾燥した大地には草木も生えません。
気の流れがスムーズな土地であってこそ、人も動物も草木もいきいきと活動できます。
風水家相術は、そのような自然界の営みから得た知識を体系化した学問です。
「吉相の住まい」の条件はいろいろありますが、何よりも大切なのは家のなかに気のよどみがなく、自然界のエネルギーがうまく循環していることです。
家を人間の体に置き換えてみるとよくわかると思います。
わたしたちの体は、呼吸がスムーズにできていれば、新鮮な酸素が血流に乗ってすみずみまで行き渡り、健康な状態が維持されます。
ところが、よどんだ大気の中で生活したり、呼吸がしにくい状態になれば、血流が滞り、生きるエネルギーも低下していつか大きな病気を招くことになります。
家相についての知識や関心がなくても、住んでいる家が吉相であれば問題はありませんが、凶相の家にそうとは知らずに住み続けていると、いつのまにか健康が損なわれたり、思わぬ事故やトラブルに見舞われるなど、不運が相次ぐことになります。
改築・リフォームは開運のチャンス
家相学は、迷信や俗説ではなく先人たちの長年の経験と知恵で裏打ちされたものです。
それがよくわかるのが、災いをもたらす方位とされる、鬼門(東北)と裏鬼門(南西)の考え方です。
風水家相術では、火や水を使う場所を鬼門と裏鬼門の方位に設けるのはタブーとされています。
鬼門と呼ばれる東北は、日当たりが悪いのでじめじめしていて、冷たい風が吹き込む方位です。
そのような場所に、汚水を流すトイレや浴室を設けると、さらに湿気を呼び込むことになります。
裏鬼門に当たる南西は、西日の熱気がこもりやすく、生ものが腐敗しやすい方位です。
そこに、ガスや電気を使い、生ごみも出る台所を設けると、蒸し暑さや腐敗のために快適な生活は望めません。
家全体が陰気で不衛生になり、住む人の気持ちまでゆがめてしまいます。
よって、吉相の住まいの条件は、気候や風土、生活様式などとよく調和がとれている、きわめて理にかなったものです。
ポイントは方位と時期
改築・リフォームを計画するときは、まず現在の家相をよく調べておくことが大切です。
家相の吉凶が判断できると、どこをどのように改善すれば運気を高めることができるかがわかります。
しかし、改善策がわかっても、すぐに工事にとりかかればよいというわけではありません。
風水家相術では、家相の吉凶とともに、方位と時期を重視します。
家相が悪くても、手を加えることで吉相に変えることが可能ですが、方位と時期の凶意はそうはいきません。
家相の吉意まで、凶意に変えるほどの強い影響力をもっているのです。
方位と時期の吉凶は、自分の本命星と、改築・リフォームをする年の九星を対比させて判断します。
本命星がわかれば、その年の自分の運勢や、幸運を招く方位と時期、不運を招く方位と時期がわかります。
さらに、リフォームを予定している場所の方位によって、工事に適した時期も決まってきます。
本命星にはパワーが秘められている
マンションなどのように、同じ間取りの住まいであっても、吉凶の現れ方は異なります。
なぜかというと、住む人の性格や、もって生まれた運勢がそれぞれ違うからです。
改築やリフォームで開運をはかるには、その人自身の運勢や性格を基礎にして考えなくてはなりません。
ですので、その人がどのような″気″に満ちているかを、配慮する必要もあります。
「九星気学」は人や場所、時期などを総合的に判断する開運の秘法として、古代から尊重されているものです。
私たちの性格や運勢も、生まれた年にどの星が支配していたかによって、ある程度運命づけられています。
急星気学では、生まれた年に九星盤の中央に位置する星を、その人の「本命星」といいます。
人は生まれたときに産声をあげ、初めて大気を肺に吸い込みますが、そのときの大気は、その年を支配する星の気に満たされています。
したがって、その人は生涯にわたってその気の影響を受けることになります。
中央に二黒土星が入っている年に誕生した人は、生まれながらに二黒土星の運気と水質をもっています。
しかも、その本質は生涯変わることがありません。
そして、この本命星がどの位置に移動するかで、運勢の上昇期や低迷期といったバイオリズムが生じるのです。
本命星のもつ運気は、改築やリフォームをする時期と方位や、間取りの吉凶、改築に際して仮住まいをする方位にも影響してきます。
どこをどのようにリフォームしたらよいかは、一人ひとりの本命星によって異なります。
本命星による運勢や性格を生かしたリフォームによって住まいを整えれば、運気をいっそう高めることができます。
災難に見舞われる大凶方位
改築・リフォームにあたっては、その年に自分の本命星がどこに位置するかに基づいて、吉方位と凶方位を確かめる必要があります。
九星盤で五黄土星の位置する方位を「五黄殺」といいます。
五黄土星は、帝王星とも呼ばれる強力な星で、物事を破壊する力があります。
どの九星の人にとっても、大凶方位です。
改築を予定している場所が大凶方位にあたるときは、年が変わるのを待ったほうがいいと思います。
また、五黄土星が中央に位置している年は、方位にかかわりなく、どのような規模の改築・リフォームも大凶となります。
その年の九星盤で、五黄土星の正反対に位置する方位を「暗剣殺」といいます。
暗剣殺も、すべての人に共通する大凶方位です。
この方位を改築・リフォームすると、自分に責任はなくても外からの凶意を受けやすくなります。
事件や事故に巻き込まれたり、もらい火で家が焼失する、借金の保証人になって財産を失う、といった災難に遭うことが多くなりがちです。
五黄土星が中央に位置している年には、暗剣殺はありません。
九星盤で、その年に自分の本命星が位置している方位を「本命殺」といいます。
本命殺は、自分自身に問題が起きやすい方位で、とくに健康面に悪影響がでます。
この方位の改築やリフォームは、突然の病気やけがを招くことがあるので避けるべきです。
自分の本命星が九星盤の中央に入っている年は、五黄殺が中央に位置するときと同様に、リフォームの着工を控えたほうが賢明です。
九星盤で、本命殺の正反対に位置する方位を「本命的殺」といいます。
本命殺が肉体的な打撃を暗示するのに対し、本命的殺は精神的なショックを受けやすい方位です。
方位の見方
その年に本命星がどこに位置しているかは、改築・リフォームを予定している場所の方位にも関係してきます。
星回りからみて改築・リフォームにふさわしい年であっても、工事を予定している場所が本命星にとってよくない方位であれば、時期をずらすことを考えなくてはなりません。
「場所の方位」には、宅心からみた方位がありますが、これはおもに平面的な方位です。
家は立体的なものですから、場所によっては上下の方位とその吉凶についてもチェックしなくてはなりません。
改築のなかには、屋根のふき替えや天井の張り替え、あるいは2階を増築するといったことも含まれます。
その場合、屋根や天井、2階など上方にあるものは、方位としては南とみなします。
それは、太陽は東から出て天井(南)に昇るからで、屋根や天井を改築することは、南の方位を壊して工事をすることになります。
ですので、南が本命殺や五黄土星などの大凶方位になる年は、屋根や天井、2階などの増改築・リフォームは避けなければなりません。
床は、天井とは逆の北方位とみなします。
それと同時に、自分が立っている場所という意味で中宮にも当たりますので、床の張り替えを予定した場合は、自分の本命星との方位とあわせて、北方位や中央位の星回りもみる必要があります。
いざ、増築・リフォームを手掛けてみると、当初の予定が大きく変わる場合もあります。
軒先の小さな補修のつもりが、どうせならということで、大がかりな屋根のふき替えになるようなこともあります。
それによって、本来は方位に問題のなかった改築が、凶方位をおかすような工事になってしまうおそれがないともかぎりません。
改築・リフォームの計画は慎重に立てるとともに、不安が生じた場合は、焦らずにもう一度検討し直すことも必要です。
方位の吉凶で迷ったときは、専門家に相談したほうがいいと思います。
開運のためのプランの立て方
改築・リフォームを予定するときは、「どこを」についてはすでに決まっているケースがほとんどだと思います。
その場合は、本命星とその年の星回りから方位と時期を調べて、改築・リフォームにふさわしい年かどうかを確かめます。
さらに、リフォームをする場所について、工事に着手する時期の適否を調べます。
すでに特定の場所を計画している場合は、間取り図でその場所の方位を確かめて、家相を調べてみます。
もともと方位に問題のない場所であったときは、時期を慎重に選んで着工します。
凶方位であったり、大規模な改築・リフォームで個々の部屋が方位の面で凶相になるときは、間取りを変えるなどの配慮も必要になります。
改築・リフォームが可能な範囲には、限界があることも事実です。
すべてを図面から起こす新築の場合とは違って、間取りは簡単に変えられませんし、水回りなどにも制限があります。
とくにマンションのような集合住宅の場合は、工事できる内容に成約があるので、なかなか希望どおりにいかないのが現実です。
そのようなときは、まず許された条件のなかでのリフォームを考えることが必要です。
思いどおりの改築ができない可能性があるならば、小さなリフォームによって、可能な範囲内で少しでも凶意を和らげる工夫をするといいと思います。